婚約者の浮気相手は母でした。

 それを見て、リビルト様はベッドの上から立ち上がった。彼は一糸纏わぬ姿のままで、窓際まで後退る。それ程までに、父親が怖いということなのだろう。
 エルヴィー侯爵は、そんな彼に杖を向けたまま近づいていく。

「今回のことが片付き次第、お前にはエルヴィー侯爵家から出て行ってもらう。侯爵家は、甥にでも任せるとしよう」
「お、お許しください、父上……」
「お前が罪を素直に認めて、アルメア嬢に謝罪していたなら、もう少し寛大な処置も考えたかもしれないな。だが、お前は性根まで腐っていた。追放する前に、その腐った性根を叩き潰してやろうか?」
「い、嫌だっ……」

 追い詰められたリビルト様は、驚くべき行動に出た。
 彼は窓を開けてそこから身を乗り出した。ここはそれなりに高さがある二階だ。だが、彼は躊躇することなくそこから飛び降りる。

「うあああああっ!」