婚約者の浮気相手は母でした。

「あ、いや、それは……」
「お母様と浮気ですか。本当に、とんでもない人と関係を持ちましたね……まあ、それはお母様にもいえることですが」

 お母様とリビルト様の浮気は、私にとっては二重の裏切りだった。
 浮気がそもそも駄目なことではあるが、二人はその相手まで最悪だったといえるだろう。

「さて、そんな二人にお客人です」
「客人……」
「あ、あなたは……」

 そこで私は、部屋に二人の人間を招いた。
 その二人を見て、お母様とリビルト様は目を丸めている。
 それは当然だ。お父様とエルヴィー侯爵、この二人はあちらの二人にとって、今最も会いたくない人達であるだろう。

「ち、父上……」
「リビルト……」

 エルヴィー侯爵は、怒ったような悲しそうな表情でリビルト様のことを見ていた。
 彼の複雑な心境は、今までのやり取りでよくわかっている。