婚約者の浮気相手は母でした。

 リビルト様の顔が、少しずつ歪んでいく。流石に自分の部屋が荒らされたという事実には、イライラしているらしい。その表情から怒りが読み取れる。
 だが、それでも彼は激昂しなかった。そういう風に感情を抑えられるのは流石だ。そうやって感情を上手くコントロールして、様々な女性を騙してきたといった所だろうか。

「まあ、お母様に言わせれば、この方々も利用されているだけに過ぎないのでしょうか? ちょっと数が多過ぎると思ってしまいますが……」
「リ、リビルト、あれはどういうことなの……?」
「アメルタさん、違うんです。あれはただ、僕に勝手に向けられた恋文で……僕の本命は、当然あなたですよ」

 リビルト様は、お母様が本命であることをはっきりと認めた。
 それはもちろん、嘘ではあるだろうが、ここで重要なのは彼が浮気の事実を認めたということである。

「やっと認めていただけましたね?」