婚約者の浮気相手は母でした。

 しかし私は、それが偽りだらけのものだということをもう知っている。いや例え知らなかったとしても、この状況で言い逃れなんてさせないが。

「往生際が悪いですね、リビルト様。お母様も、同じ意見なのでしょうか?」
「アメリア……無礼よ?」
「無礼?」
「このように大勢で急に押しかけて、無礼としか言いようがないわ」

 お母様は、少しヒステリック気味にそんなことを言ってきた。
 散々な仕打ちをしておいて、この態度とは呆れてしまう。いや、最早そうすることくらいしかお母様にはできないのだろうか。

「無礼であるというなら、あなたが私にしてきた仕打ちの方が無礼であると思いますが……あなたも認めないということですか? リビルト様とそういう関係ではないと」
「……」
「ちなみに、ここのことはとあるメイドが教えてくれました。彼女は、自分こそがリビルト様の本命であると……恋人であると思っているようですが」