婚約者の浮気相手は母でした。

 私達は、草むらの中から家の様子を伺った。
 恐らく、あちらはまだこちらの存在には気付いていないだろう。できることなら、ばれずに二人を見つけたいものである。

「姉さん、あそこを見てみて」
「カーテンが閉まっているわね……あ、人影?」
「ああ、どうやら少なくとも一人はあそこにいるみたいだね」
「それなら幸いね……って、待って二人いるわよ?」
「そう、みたいだね……」

 私とイルルドは、一つの人影が二つに分かれる瞬間をはっきりと目撃した。
 カーテンで隠れているため、何が起こっているかはわからない。しかしながら、なんというか嫌な予感がしてしまう。
 だが、もしも私の予想が当たっているなら、これは好機ともいえる。二人は、きっと油断しているだろう。今の内に乗り込んだ方がいいかもしれない。

「まったく、嫌なことばかりだわ。今回の事件は……」
「ああ、だからこそ終わらせよう」