婚約者の浮気相手は母でした。

 しかしなんというか、エルシーはとても挙動不審である。何か知っているのではないかと思っていたが、もしかしたら彼女は予想以上の情報を持っているのかもしれない。

「ほ、本当にリビルト様の名誉を守っていただけるのですか?」
「ええ、もちろんです。もちろん、私と彼は婚約破棄しますが真実は隠します。できる限り、私達はお互いの家の名誉を守りたいと思っていますから」
「えっと、あの、私はっ……」

 私に何か言おうとして、エルシーは言葉を詰まらせた。
 この段階でも、彼女はまだ悩んでいるようだ。それ程、核心に迫るような情報を持っているということだろう。
 私は、特に何も言わずに言葉を待つ。最早、かけるべき言葉は思いつかない。無事に落ちてくれるといいのだが。

「リ、リビルト様は今――」

 しばらく待っていると、エルシーはその口をゆっくりと開き始めた。
 こうして私は、リビルト様とお母様に関する重要な情報を得たのだった。