婚約者の浮気相手は母でした。

 やはり彼女は、リビルト様の体裁なども気にしているようだ。
 それなら、こちらとしてもやりやすいかもしれない。彼の愛さえあればどうでもいいみたいなタイプだったら、きっともう少し難しかっただろう。

「エルシーさん、彼の名誉を守りたいと思っているなら協力していただけませんか? こちらとしても、あまり事態を大きくしたくはないのです。できることならリビルト様を早く見つけて、この件を内々に処理したいのです」
「な、内々に……?」
「ええ、どちらの家にとっても不名誉なことですからね。隠せるなら隠したいと思っています。ただ、事態が長引くとどうなるかわかりません……」

 エルシーは、少しだけ前のめりになっていた。
 リビルト様の名誉、私はそれを人質に取る。これを盾にすれば、彼女も落ちてくれそうだ。