婚約者の浮気相手は母でした。

 それなら詳しく話を聞かせてもらわなければならない。あの二人を見つけ出すために。

「エルシーさん、残念ですがリビルト様の本命は母です。事実はどうあれ、そう結論付けられてしまうのです」
「何ですって?」

 私は、エルシーをとにかく揺さぶることにした。
 こういう時には、理論よりも勢いが大事だ。堂々と彼女が嫌がるようなことを言うことに、私は集中する。

「リビルト様は、お母様と行方不明になっています。彼が優しくてお母様を気遣っているとしても、それは事実にはなり得ません。夫人と失踪して、何もなかったなんて信じる人はいませんよ」
「そ、それは……」
「彼は夫人と駆け落ちしたどうしようもない男として、歴史に名を残すのです。前代未聞ですからね。きっと後世にも長く語り継がれることでしょう」
「そんな……」

 私の言葉に、エルシーは焦ったような顔をする。