婚約者の浮気相手は母でした。

 ローライト侯爵家としても、それはきっと一番いい形だ。私の婚約もイルルドの婚約も難しいし、私達が結ばれれば丸く収まるといえるだろう。

「つまり重要なのは、私の気持ちということになる……多分、お父様もイルルドも、私が嫌だって言ったら強制しない。それが一番丸く収まるからという理由で、選択を下してはいけない。私は私なりの結論を見つけなければならない」

 部屋に戻って来たことによって、私は落ち着いている。
 だから、改めて考える。私はイルルドのことを、男の子としてどう思っているのだろうか。

「別に悪い気はしていないのだが、正直な所ね……まあ、その辺りはやっぱり血が繋がっていないからなのかしら? 血が繋がっていたら、もっと忌避する気持ちが生まれるのかしら?」

 本当の弟のように思っているが、私とイルルドは血が繋がっていない。いとこ所か、まったく関係ない血筋である。