恋愛偏差値が低すぎる!!

「これ、なんですか」

表も裏も封筒には何も書かれていないが、触ってみた感じ、少し厚みがあり、明らかに何か封入されている。

「そのまま立川くん本人に渡してくれたらいいから、じゃあお願いねー」

「いや、ちょっと待ってください。まだ私、行くとは言っていないですけど」

「いいからいいからー。あとついでにさ、たまには学校に来てよって伝えてくれないかな」

「芦田先生、話が進みすぎて色々準備が…」

顔を見たいとは言ったが別に会ってみたいとは言っていない。遠くから見つめる程度。相手からは認識されない距離でいい。


「絶対に行きませんよ私」

「まあまあ、会ってみたかってんでしょ?立川くん確かイケメンよー」

「いやいやいやいや全然興味無いです。絶対に行きませんからね」

「えー、絶対?」

「はい、私帰って勉強する予定がありますし…」

そう念押しして、強行突破で帰ろうとした時、さっきまでずっと座っていた芦田先生は立ち上がり、私の耳元に顔を近づけた。

「じゃあ加藤さんにいい事教えてあげる。立川くんのお家は凄いところでね。各教科の参考書は選りすぐりのものを使っているらしくね、立川くんの部屋はとんでもない量の本が敷き詰められているらしい」

参考書。選りすぐりの参考書。