恋愛偏差値が低すぎる!!

それなのに、

「これはある意味怠慢では?立川葵のみが三教科で満点を取るという異常事態を先生方は重く受け止めるべきです」

自分の言っていることの意味不明さはもちろん理解している。立川葵に勝てるビジョンが湧かないからどうにかしろと、言っているようなもの。だがあまりにも次元が違いすぎて、そう言いたくなるのも許して欲しい。

これは完全なる八つ当たりだ。

「そうは言ってもねー。難しいのよ」

「難しいって言いますけど、そもそも進学試験も一教科満点取ってたんですよね」

「はい、そうです…」

「外部受験の私と同じ試験内容で、私は471点です。立川葵は確か482点でしたよね」

「加藤さんは本当に物覚えがいいわねぇ…」

もちろん忘れるわけが無いあの屈辱。
入学式の時、言われたあの言葉。私自身も過去最高得点で、自分が首席合格者だと思っていたのに、担任になった芦田先生は開口一番

ーー残念だったわねぇ加藤さん。例年なら貴方は文句なしの首席だったんだけど、今年は立川くんがいたから…

そうお悔やみの言葉を口にした。