さてどうしようか。
次の問題だ。
制服姿のままジタバタ動くと、スカートの布が擦れる音が、静かな部屋によく響く。その足踏みの衝撃に、布団の中に溜まったラベンダーの香りが宙を舞い、鼻腔に入り込んだ。
お母さんが一生懸命に、掛け布団とシーツ干している情景が目に浮かぶ。こんな重労働、休みの日に私がするから別にいいのに、わざわざやってくれたのだろう。そう負い目を感じて、仰向けの状態のまま目を閉じた。
「どう切り出そうか」
母はいつも私の部屋を綺麗に掃除する。合格発表の日。成績表が返ってくる日。模試の判定が分かる日。
これは儀式的なものでは無い。単に私が喜んでいるだろうからという理由で、母は私の身の回りの物を洗濯し、チリひとつない部屋で出迎える。お母さんも嬉しいよ良かったね。多分そういう気持ちだ。
それに、この時間から準備しているところを見る限り、今日はきっとご馳走だ。
枕に顔をつけて、言葉にならない呻き声を上げた。これは逃げようのない現実だ。
母はお人好しで優しい人だから、きっと成績が落ちたことよりも、私が悔しがっていることに同情する。悲しくなって、ルンルンでお祝いの支度をした母に、引け目を感じさせてしまう。
かといって、気にしてない素振りを見せたら?母は私のこの負けず嫌いの性格を買ってくれている。そんな嘘をついて、もしバレたら、本当に落胆させてしまうかもしれない。
母はお人好しで凄く優しい人だ。
最初からそんな相手に嘘をつくなんていう選択はない。ちゃんと事実を言う、その覚悟が決まらないだけだ。
次の問題だ。
制服姿のままジタバタ動くと、スカートの布が擦れる音が、静かな部屋によく響く。その足踏みの衝撃に、布団の中に溜まったラベンダーの香りが宙を舞い、鼻腔に入り込んだ。
お母さんが一生懸命に、掛け布団とシーツ干している情景が目に浮かぶ。こんな重労働、休みの日に私がするから別にいいのに、わざわざやってくれたのだろう。そう負い目を感じて、仰向けの状態のまま目を閉じた。
「どう切り出そうか」
母はいつも私の部屋を綺麗に掃除する。合格発表の日。成績表が返ってくる日。模試の判定が分かる日。
これは儀式的なものでは無い。単に私が喜んでいるだろうからという理由で、母は私の身の回りの物を洗濯し、チリひとつない部屋で出迎える。お母さんも嬉しいよ良かったね。多分そういう気持ちだ。
それに、この時間から準備しているところを見る限り、今日はきっとご馳走だ。
枕に顔をつけて、言葉にならない呻き声を上げた。これは逃げようのない現実だ。
母はお人好しで優しい人だから、きっと成績が落ちたことよりも、私が悔しがっていることに同情する。悲しくなって、ルンルンでお祝いの支度をした母に、引け目を感じさせてしまう。
かといって、気にしてない素振りを見せたら?母は私のこの負けず嫌いの性格を買ってくれている。そんな嘘をついて、もしバレたら、本当に落胆させてしまうかもしれない。
母はお人好しで凄く優しい人だ。
最初からそんな相手に嘘をつくなんていう選択はない。ちゃんと事実を言う、その覚悟が決まらないだけだ。
