よし、決まった。
初めて捨て台詞を吐いたが、これは凄く気持ちがいいものなんだな。
私の母はお人好しで、いつも父は口を酸っぱく
「二度と会わないであろう人に気を使うことほど馬鹿な行いはないよ」
と言っていたが、本当にその通りだと思う。今後絶対に立川葵と会うことは無い。そんな相手を気にかけたり、良い人のフリをしたところで何も利点は無い。言葉を押し殺すぐらいなら捨て台詞吐いて、今後の人生の糧にしよう。損する生き方はしたくない。
スマホの地図アプリを頼りに近くの駅まで行ってから、芦田先生に電話をした。すると二つ返事で迎えに来てくれて、そのまま家まで送り届けてくれた。
「紬帰ってたの?今日は遅かったね」
家に帰りつくと、台所で忙しなく動いていたエプロン姿の母が、私の気配に気づいて動きを止めた。片手にはお玉を持ち、もう一方には丸い小皿を持っている。
「うん、寄り道してたからね」
「寄り道なんて珍しいね。図書館にでも行ってたの?」
「まあ、そんな所かな。着替えてくるね」
本を目当てで行ったのだから、別に嘘では無い。
とぼとぼと2階の自部屋に入り、そのままベッドに身を投げた。
初めて捨て台詞を吐いたが、これは凄く気持ちがいいものなんだな。
私の母はお人好しで、いつも父は口を酸っぱく
「二度と会わないであろう人に気を使うことほど馬鹿な行いはないよ」
と言っていたが、本当にその通りだと思う。今後絶対に立川葵と会うことは無い。そんな相手を気にかけたり、良い人のフリをしたところで何も利点は無い。言葉を押し殺すぐらいなら捨て台詞吐いて、今後の人生の糧にしよう。損する生き方はしたくない。
スマホの地図アプリを頼りに近くの駅まで行ってから、芦田先生に電話をした。すると二つ返事で迎えに来てくれて、そのまま家まで送り届けてくれた。
「紬帰ってたの?今日は遅かったね」
家に帰りつくと、台所で忙しなく動いていたエプロン姿の母が、私の気配に気づいて動きを止めた。片手にはお玉を持ち、もう一方には丸い小皿を持っている。
「うん、寄り道してたからね」
「寄り道なんて珍しいね。図書館にでも行ってたの?」
「まあ、そんな所かな。着替えてくるね」
本を目当てで行ったのだから、別に嘘では無い。
とぼとぼと2階の自部屋に入り、そのままベッドに身を投げた。
