恋愛偏差値が低すぎる!!

怒号を放ったが、勿論自覚は無い。

どうして同じ点数の立川葵と私が、同率一位じゃないんだ。内申点か?私は内心佐藤先生のことを性悪教師ってバカにしてる事に気づかれたのか?
過去の自分の悪態が、まるで長いフィルムのように頭の周りをぐるぐると巻きつけられ、頭を締め付けてくる。


「何ずっと見てんの?ちょっと貸して」

「あ、待って」

とうとう痺れを切らした立川葵は2枚の成績表を難なく取り上げた。

「あー、成績表か」

「本当だ」

今度は私が置いてけぼりにされる番だ。
二人は並んで、仲良く成績表を見ると、時折どこかを指さして笑ったりしている。その光景をなるべく黙ってじっと見守る。

そうさっき私がやったことだし、仕方ない。耐え凌ぐべき。なのだが、自分の努力の結果が笑われているような気がして、なんだかムズムズする。

「あの、いいですか」

やはり物理の件もあって耐えられなくなった。


「どうしたの?」

白星の優しい声色に、自然と身体は白星の方に向く。