恋愛偏差値が低すぎる!!

別宅を経由?なんだ、この人飛行機の話でもしてるのか?お金持ちの常識は、自分の想像を遥かに超えている。
ただ会ってクラスメイトですって挨拶するつもりが、金持ちにはそれが危険な行為に当たるのかと、そのギャップに面食らってしまった。

「どうする?本人に会うか、俺が渡そうか?」

そうは言ってもなぁ。もしこの人が、嘘をつく天才で、生徒でもないのに制服を着て、立川葵の家に入り込もうとしていたらどうする。そのきっかけを作った私も同罪になるのではないのか。

俯いて考え込む私に、白星は顔を覗き込んでくる。その近さにぎょっとして、数歩後退る。

「えっと、白星さんは立川さんはどういう間柄で…」

一応人に託された荷物だ。面倒だからといって、よく分からない人に預け、行方不明にでもなれば、芦田先生からの評価は地に落ちる。そんな無責任な人だったんだと、冷めた目で見られることになる。あの人からの内申点はまだ大事にしておきたい。


「あ、俺?俺もここに住んでるんだ。母親がこの家で住み込みで働いているから、まあ宿屋みたいなもので、」

「んっと、え?」

「あはっ、まあ分かりづらいよね。簡単に言えば幼なじみみたいなものだよ。俺と葵は0歳の時から、ずっと同じ屋根の下で生活してきたんだ」