アイスでバレンタイン



「食べながら歩こう」
「寒くないの?」
「やっぱそう?」
「まぁいいけど、ありがとう」

 包装をやぶいて、ポケットの中に突っ込む。はむっと口に入れようとしたらサトルに止められた。

「待って待って」
「なに?」
「重ねて見てよ」

 訳もわからず、サトルの差し出したアイスに自分のアイスを重ねる。

「ハートがーたー」
「ふざけてるの?」
「逆チョコです」

 確かに、二つのアイスは重ね合わさって、ハートの形になっていた。意味が分からなくて、アイスを持ったまま、ぽかんとサトルの顔を見つめる。

「溶けちゃうから、食べよう」
「あぁうん、ありがとう。でもさ、逆チョコってなんで?」

 はむっとアイスに口をつければ、チョコレートの食感とアイスのとろける感覚が美味しい。