「璃子……」
颯斗くんは驚いた顔で璃子を見つめる。
「どんな困難も一緒に乗り越えていこう?どちらかが全部背負うなんて嫌だからっ!」
私は颯斗の手を握り、そう言う。
「……はい。ありがとうございます。」
颯斗くんは微笑んで私の願いを受け入れてくれた。
「はっはっは!本当に紀子にそっくりだなあ。」
「お母様に?」
「ああ。……俺が社長の座にに就いたばかりの頃、ある大きな失敗をしたんだ。そのせいで大事な取引先とのつながりがなくなってしまってな…。」
「紀子には心配させたくなくてそのことを伝えなかったんだ。それで一人でその会社に頼み込んで……。ついに隠し切れなくなって観念して打ち明けると泣かせてしまったよ。」
「紀子はなんで黙ってたんだ、私にも一緒に背負わせろ。といって一緒に頼み込んでくれたんだ。」
「結局その会社とは関係を戻せたの?」
「ああ。向こうの要人の方が後押ししてくれたんだ。」
「そっか……。なんか嬉しいな。大好きなお母様と似ているなんて。」
「お前たちもそうやってうちを支えていくんだ。仲良くやれよ。」
「うん!お父様、ありがとうっ!」
「ありがとうございます。」
「ふぅ……。」
「疲れた?」
「はい。やっぱり日本一の社長は威圧感がすごいですね。」
「やっぱそうなんだ。私は慣れてるからわかんないんだよね。……ていうか、なんで敬語なの?」
「なんでと言われましても……。癖と言いますか……。」
「敬語禁止!同い年だし……恋人、だから。」
慣れない言葉に少しドキドキする。
「……そうだなぁ。あなたが毎日キスしてくれるなら敬語辞めます。」
顔を赤らめていると聞き捨てならない条件が出てきた。
「えっ!?」
「どうします?」
「えっ……不公平じゃない!?」
確かに私が頼む方ではあるけど……
「どうします?」
颯斗くんは笑顔で圧を掛けてくる。なんか、尋問されてる気分……。
「ううー……。分かった…。私もキス、したいし……。」
つい、本音が飛び出すが……もしかしたらついに私がが上手に……!?

