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「そっか。璃子には心に決めた人がいたんだな。」
お父様の書斎で颯斗くんと一緒に今回の件の詳細を説明するとともに颯斗くんが彼氏だと紹介したのだ。
「ごめんなさい。お父様……。」
「謝らないでいいんだ。俺は璃子の意思を大切にしたいと、前に言っただろう?」
確かにお見合い前にそう言ってくれたけど……
「でも……。蒼葉グループとの関係が悪くなるんじゃ…。」
私がグループの妨げにはなりたくない。それはずっと私のエゴだ。
「心配するな。別にあそことのつながりが切れても何も問題ない。西園寺の力をみくびってくれるな。」
「そっか……。ありがとうございます、お父様。」
「ああ。……それで、槙野くん。」
私に笑顔で答えてくれると、今度は真剣な表情で颯斗くんを見た。
「はい。」
「まだまだ不束な娘だが…これからも璃子をよろしく頼む。」
そう言ってお父様は頭を下げる。
「はい。命を賭けてでも守ります。」
それに対して颯斗くんも姿勢を正して意思のこもった瞳で宣言した。
嬉しいが……聞き捨てならないな。
「嫌ですっ!命なんてかけなくていい!!」
これだけは譲れない。私は守ってもらうだけにはなりたくない。

