【短編】天然お嬢様は焦らされてる事に気づかない。



それからは早かった。颯斗くんは走りも早く、すぐに学校に着いた。

「………ふぅ。」

あれだけ走ったのに全然息が切れていない。少し息をついてから私を優しくおろしてくれた。

「す、すごいね…!」

「これくらい普通です。」

颯斗くんは平然と言い放った。

「……そうなの?」

私は今まで運動とかはあまり…いや、全然してこなかったから普通がわからない。

颯斗くんが言うならそうなのだろうか。
それよりも………

「どうしてお見合いしてるって知ってたの?」

「ああ………それは、あなたのご友人の如月さんに聞きまして………」

「夏帆に?」

でもそっか、夏帆にしか話してなかったから……

「ええ。今日璃子がお見合いする、奪いに行かなくていいのか、と。」

きっと私を心配してくれたんだろう。ていうかなんで颯斗くんが私のこと好きだって分かったんだろ?

「そっか………。ふふ、夏帆ったら優しいんだから。」

本当に、彼女には感謝しかない。

「本当に………いいご友人ですね。」

颯斗くんは微笑んでそう言ってくれた。本当に自慢の親友だからとても誇らしく思う。

「うん!自慢の親友だよ!……あと、その……、私の事、いつから好きでいてくれたの?」

そう、それ!なんで返事をすぐに言ってくれなかったんだ!

「………入学してすぐくらいから。」

「そんなに前から!?」

私に会う前じゃない!私より先に好きになってくれてたなんて………