「へっ……えっと?……あっ」
私が返事をする前に強引に私の手に触れた。その触り方が気持ち悪くてゾワッとする。
「や、やめてください……!」
「いいじゃないですか。いずれ夫婦になるんですから。」
そう言って触るのをやめてくれない。抵抗しようとしても男性の力にはもちろん敵うはずもなく、精一杯押しても何も動かない。
ついには私を抱きしめきて、生理的な涙が溢れる。颯斗くんに抱きしめられた時とは全然違う感情が溢れてくる。
……こわいっ…!
「やだっ……やめてください。」
「……璃子さん?って、あっ……!どこに行くんですか!?」
涙声で訴えると泣いていることに気がついた渚斗さんの腕が緩んだ。その隙を狙って腕から抜け出して会場の外に走る。
とにかく彼から離れたい。気持ち悪い。怖い…。
ーーこの人と結婚したくない!
色々な気持ちが私を急かす。
それでも、わたしの脚力なんて当てにならないし、運動靴でもない。そんな私が彼から逃げれるわけないのだ。
「待ってください!」
会場を出てすぐに渚斗さんに腕を掴まれる。

