【短編】天然お嬢様は焦らされてる事に気づかない。



「綺麗な庭ですね。」
「そうですね。」

「………俺、今回縁談のことを聞いて、嬉しかったんです。」

「え……?」

「ずっと、遠くから見てたから。笑顔で話すあなたを。」

「………」

「あなたは本当に完璧で、疲れたそぶりも見せない。そんなあなたなら共に活躍していけると思ったんです。」

渚斗さんは延々と私の魅力を語った。その中で感じた事、それは''不快''。

……ああ、この人は私の外面しか見てない。それからとても上から目線で話す。私が縁談を受ける前提で考えている。
一応私にも意思というものがあるのだが。


颯斗くんなら………、ああダメ。また思い出しちゃった。

早く忘れないと……それにこの人もきっといいところがあるんだ。悪いとこばっか見ちゃダメ。


「璃子さん。俺と婚約してください。」

「え……。」

「家同士の婚約だからって理由だけじゃなくて、あなたにとっくに惹かれてたんです。その気持ちを知ってもらって……できれば俺を好きになってもらいたいんです。」

「あ……そうですよね。お互いを好きになった方がいいですよね。」

「はい。……璃子さん、触れてもいいですか?」