あの日以降も、寧々とコータの関係が特に変わったようには見えなかった。

 恥ずかしくてあたしには隠しているのかも……って勘繰ったこともあったけど、いつまでもそんなことに構っていられるほどの余裕なんか、あたしにはなかった。

 だって、寧々と同じ大学を目指していたんだから!

 運動なら寧々に余裕で勝てる自信があるけど、勉強の方はちょっと……いや、正直だいぶ寧々の方が上。

 わからないところは寧々に教えてもらいながら、それこそ死に物狂いで勉強して、なんとか合格を勝ち取った。

 ずーっとD判定だったのに!

 火事場の馬鹿力って本当にあるんだなって、はじめて実感したよ。


 そんな感じで、受験のあれやこれやが終わって、ハッと我に返ったときには、コータと一緒にいられる時間なんかほとんど残されていなかった。