パーフェクトブルー -甘くて眩しいきみの色-


「 あ 」



ビルを出てすぐに見覚えのある姿が目に入る。



「 え 」



隣のビルの入り口に、あの阿久津沢の男と、友達らしき男が2人。

白銀の髪はこちらを見て少しだけ目を見開いた。


授業が始まる前までは、彼に会いたくて仕方がなかったのに。

まさかこんな時に会えてしまうなんて。


さっきの担任に触れられた出来事で心がぐらついているし、正常でいられる気がしない。

今は会いたくなかった。


彼に会えた嬉しさよりも、遥かに凌駕する先ほどの担任への嫌悪感。

自分でも、どうすればいいかわからない。



「なんでここに…」



そう呟いて思い出す。


そう言えば塾の場所を教えた時、よく近くに行くことがあるって言ってたな。



「もしかして、ニコちゃん絆創膏の子だろ?」


「ニコちゃん絆創膏?」



彼の後ろにいた茶髪の長髪を後ろでひとつ結びにした男が私のことを指差した。


背が高くて、がっちりとした体型。

中性的な顔立ちの白髪の彼に比べて、どちらかといえば男の人らしいくっきりとした顔立ちだ。


横にあの美しい彼がいるから劣って見えるが、彼もまた端正な顔立ちをしている。



「コイツのデコに貼ったのあんただろ?」


こいつ、と男は隣の美しい彼を指さす。




そして茶髪の男はニヤリと笑って私を見る。


その横には赤髪をつんつんと立たせた髪型の男が茶髪の男からひょっこり顔を出してこちらを見ていた。


耳にはたくさんのピアスが連なっていて、そして唇にも輪っかのピアスがついている。


ぱっちりとした目でこちらを見てくるその姿は、他2人に比べては可愛らしい印象だ。