きみがくれたもの

第7章 遠い未来

真が死んでから、7年が経った。私は、その後首席で看護短大を卒業して国家資格に合格。この春から、私と真が通院してきた病院で働くことになったんだ。
看護師になってから、様々な子供たちに会った。親がお見舞いに来なくて悲しいとか、重い病気で移植を待っている子だったり、たくさんの子供たちに会った。


その中で、真と同じ病気を持つ子に出会ったんだ。病名は、単心室症。まだ、赤ちゃんで夜泣きとか激しめで疲れるけれど周りの人たちが協力してくれて何とかやれているんだ。


ねぇ、真?私ね、看護師免許だけじゃなくて、これから色々な資格を採ろうと思っているんだ。天国で、応援してくれている?


その時だった。
「由希。頑張れ!」
私の愛した人の声がどこからか聞こえた。周りを見たけど、真はいなかった。でも、とっても嬉しくてやる気が出た。


そうだ、今日は月命日。真のお母さんたちに挨拶をしに行こう。
病院には、半休をもらっているから早退しても大丈夫だ。




「あら、由希ちゃん。久しぶりね。」
「はい。お久しぶりです。」
「真のお参り?あの子もきっと、喜ぶわ。」
「はい。そうだと、良いですけど…。」
「大丈夫だよ。真、由希ちゃんのこと好きだから。」
お母さんの何気ない一言に私は顔が真っ赤に染まった。熟したりんごのように。


それから、病室内で内心で言っていた言葉をもう1回言ってその場を後にした。
でも、最後に付け加えをした。
〈真。最後に言ってくれた言葉はキミからの贈り物だと、私は思います。天国で、待っててね。〉と。




真の家を出た後、思い出の海へ行った。真、聞いて。真と私の付き合いが広まって7年が経った今、この海にはある1つのジンクスができたんだよ。それはね、「2人でこの海にいるといつか結ばれる」っていうジンクスだよ。なんだか恥ずかしいね。でも、嬉しかったから。心配しないでね。


最後に、海でお別れを言っていい?
「また、天国で会おうね。さようなら、真。キミのことやキミからの贈り物、絶対に忘れないー。」と。