第3章 運命の恋
姉との一件から、翌日。今日は、祝日だ。宿題は、金曜日中に終わらせてあるので暇だ。お姉ちゃんたちは、ちょっと天国でスイーツビュッフェをやっているらしくそこに行ってくるから今日は、遊べないと言われた。う〜ん、どこに行こう。スケッチしに行くか。ピッタリな場所は、あ!海に行こう。海をスケッチして昔の姉と一緒に遊んでいる様子を絵にしよう。名案だ!よし!早速、準備して、レッツゴー!
海は、もう長いこと行っていない。姉が、亡くなってからは昔姉と過ごした日々を思い出すから辛くなって近づくことすらできなかった。
歩いていると、海へ着いた。その海を見た瞬間、姉と遊んだ光景が頭をよぎった。
姉と私で、砂浜でお城を作ったり、父が私達を連れてカニを採ってきたりした。
名前は、「青」とか「天晴(てるはる)」なんて面白い名前を付けたりしていた。もう、何年も前だから過ごした記憶はほとんどない。それでも、一生大切にしたい記憶でもある。忘れたくない。小さいころとか、今思い出している記憶とかは80歳になると思い出せなくなる、ということを聞いたことがある。おばあちゃんになっても覚えていたい。それも、願い。
今は、もうそのカニたちは死んじゃって家の庭にお墓として埋まっていると思う。ちなみに言うと、「天晴」はお父さんが付けた名前で、私たちは反対していたっけ。今思えば、それはもう過去の1部になってしまった。今から、6年くらい前に死んでしまった気がする。懐かしい。でも、少し悲しい。
そんなことを思い出していたら、また涙がポタポタと砂浜に落ちた。
「大丈夫か?」
優しく、何かに包み込まれるような声がした。男の人の声だ。少し、声変わり中なのかな?誰だろう?
顔をあげると、くっきり二重で優しい茶色の瞳でシュッとしていて中々のイケメン君だった。それに、声も良い。
「あの、大丈夫か?、と聞いているんだが…。」
やばい!返事するのを忘れていた。
「あ、はい。大丈夫です。ご迷惑おかけしました!」
「め、迷惑?迷惑じゃないけど?」
トクン。何だろう、この気持ち。胸がドキドキする。こんな気持ち、初めてだ。もしかして、恋ー?
「あ~、すいません。」
「いいや。とりあえず、大丈夫でよかった。」
そう言って、彼は太陽みたいなまぶしい笑顔を浮かべた。
「あ、名前。名乗っていなかった。俺は、早川真。真って呼んで。中学2年生。明日からここにある中学校に編入するんだ。」
真。かっこいい名前。中学2年生。じゃあ、同い年だ。そして、編入。どうりで、見たことのない顔だと思った。
「キミの、名前は?」
「あ、立森由希です。中学2年生。」
「由希か。良い名前だ。」
「よろしくね。」
「はい。」
これが、真との出会いだった。
「じゃあ、お近づきのしるしに何か飲もう。何飲む?」
真が提案してきた。いいアイデアだと、思った。
「じゃ、レモネードはどう?」
「了解。買ってくる。」
買ってくる?どこで?近くにあるのは、自動販売機だけ。ということは、自動販売機で?え、そこ、高いよ?それに、売っているかも分からないのに。
気が付いたら、真は手にレモネードを持っていた。私の大好きなレモネード。
「はい。どうぞ。」
「あ、ありがとう。」
「俺、レモネード初めて飲む。」
「へぇ~、美味しいよ。」
「由希がそういうなら、飲んでみる。」
その言葉に、ドキッとした。
プシュッ。
真がプルトップを開けた音が響く。
次の瞬間した音が、響いてはならない音が響いた。それは、ブシュー、という明らかに何かあった音。横を見ると、真の顔がレモネードだらけになっていた。
「な、何だこれ。」
「ふっ、ははは!」
「何だよ。」
面白すぎて、つい笑ってしまった。
「だって、だって、面白すぎて。」
あー、涙が出てきそう。ていうか、笑ったの久し振りだわ。マジで、今のは面白かった。ビデオに撮っておきたかったやつだ。
「ふっ。ははは!」
気が付いたら真も笑っていた。
真の笑い顔は、すごく幼くてそこが逆に良いな、と思えるものだった。
「確かに、面白い。ちょっと、待ってて。もう1本買ってくる。」
そう言って、真はもう1本買ってきた。私は、また失敗するんじゃないか、と思っていたけど、成功した。
「「カンパーイ!」」
「何?」
私の見ていた視線に、真が気が付いたのか、聞いてきた。
「ううん。2本目は、成功したんだなーって。」
「ふぅん。ていうか、2本目は逆に失敗するって思ってた?」
「うん。」
正直に答えると、「まじかー。」と言いながらもその顔は笑っていた。それだけでも、私は嬉しかった。
飲み終わった後、私たちは話をしていた。真の面白エピソードとかを聞き、私は笑い転げた。それは、真も同じだったらしく私の面白エピソードを聞くと笑い転げていた。2人で、笑いのツボに入りながら話をして、時間がすぎるのはあっという間だった。彼は、不思議だった。私が泣いていた理由を聞いてこなかった。
夕焼けチャイムが鳴り響いた後、「また明日。」と言って別れる前にアカウント登録をしあった。初の男の子ということもあったのか、胸がしばらくドキドキしていた。それが終わった後、2人の家に着いた。
しかし、驚くべきことに家が隣だった。途中まで、「すごいね。」と話していたけどご近所とは!ご近所付き合いは、大変だけど真とだったらそうは思わずにいけそう。
そんなことを思いつつ、家に入った。
それから、しばらくして真達家族はうちに「これから、よろしくお願いします。」と菓子折りを持ってきて挨拶してきた。
真は、「由希!」と手を振って挨拶してきた。
皆、驚いていた。私が事情を説明して、皆納得してくれたけど名前を呼ばれた恥ずかしさは残った。
「大人同士で話すから、子供同士でも話してきなさい」と言われ、仕方なく私たちは畳の部屋に入った。畳の部屋は、あまり使われていない。あるものは、ピアノとエアコンのみ。簡素な部屋だ。私の部屋、というのも考えたが女子の部屋に異性の人を入れるわけにはいかない、と思いここにした。
何を話したらいいか分からず、しばらくの間沈黙が続いた。
話しかけようとしたら、真のほうが先に話しかけてきた。
「なぁ。」
「ん?どうしたの?」
「誕生日って、いつ?」
へ?拍子抜けした。海で泣いていたことじゃなく、そっち?
「12月8日。真は?」
「6月2日。」
「へえ。あ、血液型は?」
「B型。」
「見える~。」
「由希は?」
「さぁ、何でしょう?」
「クイズか。当てるぞ!
AB型?」
「違いまーす。」
「えぇ?じゃ、何?」
「降参?」
「嫌だ。」
その発言が子供っぽくて思わず笑ってしまった。
しばらく経った後、真が言った。
「分かった!A型だろ?」
私は、笑いながら「違います。」と答えた。
「え~、ホント何?B型には見えないしなぁ。」
「あ、答え出た。」
「え?もしかして、B型?」
「正解でーす!」
「うっそ!見えねぇ!なんかの間違いじゃね?」
「嘘じゃありません~。」と言って、私は母子手帳を持ってきて見せた。
「ちょっと、貸して」と言い、しばらくの間、真はブツブツと独り言を言っていた。
しばらくたった後、こう、言われた。
「なぁ、これ何?」
真が見せてきたのは、私が食物アレルギーであるとお母さんの字で書かれているものだった。まずい、と思ったけれどもう遅かった。彼に、知られてしまった。知られたくなかったのに…。
「食物アレルギーって、由希、病気なの?」
あまりにも、ストレートな言葉にグサッと胸に刺さった。
『病気』。私が一番言われたくない言葉を彼は平然と言った。
「なんで、見たの?」
「なんでって、パラパラって見ていたら載っていたし。」
「個人情報を見るだなんて…。」
私は、怒りで肩が震えていた。
「ほんっとデリカシーない!今すぐ出て行って!はやく!」
私の突然の大声に皆びっくりしたらしく畳の部屋に駆けつけてきた。
「由希⁉」
「真⁉」
「どうしたの⁉」
私は、真に知られたくなかったことを知られてしまい、ポロリ、ポロリと涙が流れているのを見られ、真は説教をされた。
2人の両親に話をした。
血液型を尋ねられたので、正直に答えてと疑われ、証明書として母子手帳を見せたこと。真が「母子手帳、貸して。」と言ったので貸してあげたこと。そのあと、知られたくなかった食物アレルギーを持っていることを知られてしまったこと。それに怒って、大きな声を出してしまったこと。すべて話した。
お母さん達は、静かに私の話を聞いてくれた。
話が終わった後、お母さんが言った。
「真君。ごめんね。こっちにも火はあったのにこんなに説教されてしまって。
由希。あなたは、「ここ以外、見ないでね」って言わなかったでしょ?」
「確かに、言わなかったけどさ。でも、普通見る⁉」
「…。」
お母さんが黙っていると真のお母さんが謝ってきた。
「由希ちゃん。不快な思いをさせて、ごめんなさい。ほら、真も謝って。」
「…。ごめんなさい。」
真は、素直に謝ってくれた。本当なら、私はいつもここで「いいよ。」と許すけれどなぜか言えなかった。そのまま、真達は帰っていった。
翌朝。学校がスタートした。
嫌だな、と思いつつも親には言わず学校に向かった。ちょっとゆっくり準備しすぎて早香たちとは一緒に登校出来なかった。
教室内に入ると、転校生話もちきりになっていた。転校生は、多分真だろう。
「おはよ、由希。今日、遅かったね。」
「うん。あんまり、寝れてなくて…。」
「え、もしかしてまた勉強?」
「うん。」
勉強。私は、毎日勉強している。中間テストでは、毎回第2位。1位の子は、秀才と呼ばれている。その子の下をキープするため日々頑張っている。
「やっぱ、由希はすごいね~。」
すごくないよ、と言おうとした瞬間HR始まりのチャイムが鳴った。
「はい、みんな席について。転校生を紹介します。」
静まり返った教室内に先生の声が響いた。
「埼玉県から来ました、早川真です。福島は、初めてなのでよく知りません。よろしくお願いします。」
へぇ。真って埼玉から来たんだ。その時、真とバッチリ目が合った。でも、私は視線をそらした。
その後、先生が驚くべき言葉を続けた。
「席は、立森由希さんの隣ね。立森さん、手をあげて。」
渋々手を挙げると、真は私の方向に向かって歩いてきた。
「よろしくね、由希。それと、昨日はごめんね。」
あまりにも、突然の言葉にびっくりした。
「うん。私こそ、ごめんなさい。」
不思議と、すんなり言葉が出てきた。真は、不思議な男の子だ。
「何々~、2人とも知り合い?」
前の席の早香が声を上げて私はびっくりした。
「うん。家が近所で。」
「ふぅ~ん。」
早香がニヤニヤしていた。
「もう!そんなんじゃないから!」
早香に言った後、先生に「うるさいですよ。」と怒られてしまった。
くぅ。でも、真と仲直りできたから、まぁ、よしとするか。
なんだかんだあって、迎えた給食の時間。私は、人1倍緊張してしまった。やっぱり、彼は給食を食べていた。そのことに、「あぁ、羨ましいな。」と思わせてしまう。
ある時だった。私がお弁当を食べ終わって本を読んでいた時真に尋ねられた。
「由希って、何がだめなの?あ、言いたくないなら言わなくても良いけど!」
急に、言われてびっくりした。
「どうして?」
「あの後、食物アレルギーのことを色々調べたんだ。嫌な思いさせちゃったな、ってずっと後悔していた。ごめんな。」
普通に、嬉しかった。私の事そんなに気にしていたんだなんて。
「ううん。大丈夫。今なら、答えられるよ。私は、卵と牛乳がだめ。」
そこから、アレルギーについて話した。治療のため、病院に行ったり、3ヶ月に1回定期健診に行く、ということも。全部話した。
そんな私の話を、真はちゃんと聞いてくれた。黙って。私情とかも入れずに。
話が終わった後、真は口を開いた。
「今は、どのくらい治っているの?」と。
「そうだね。1年生の時は、1gで全身蕁麻疹が2つとも出ていた。牛乳は、200㎖飲んで喉のイガイガだけで済んだ。卵は、しっかりと焼いた卵1個分を無症状でクリア出来たんだよ!」
あまりにも、変なように言ってしまって「ごめん。」と謝った。
「謝ることなんてない。むしろ、頑張ったね。」
『頑張ったね』。私が、欲しかった言葉。昔、友達に「ここまで食べられるようになったよ!」と言ったら、「少なっ!」って言われてすごく悲しかった。でも、彼はそんなこと言わなかった。私は、心の中に鈴音お姉ちゃんの時みたいに青空が広がった。彼は、私の心に青空を与えてくれる存在だ、と気が付いた。彼には、言えそうだ。コリン性蕁麻疹のことも。全部言えそうだ。でも、言えるのは、多分まだ先。
「ありがとう。」
「どう、いたしまして。」
真は、頬を赤くして言った。可愛い…。
その後、沢山お話をした。趣味とか特技とか色々。真は、趣味は本を読むこと、特技はサッカーらしい。見てみたい、と言ったら「今度見せてあげる」と言ってくれて、嬉しくなった。趣味が共通なので、話が盛り上がるかもしれない。そのことに、少し期待した。
しばらくして、お姉ちゃんたちの声がした。
「由希。楽しそうね。」
〈鈴音お姉ちゃん。うん、楽しいよ。〉
声に出すのは、まずいので心の中の会話をした。多分、姉は分かってくれるはず。
「良かったわね。」
〈うん。鈴音お姉ちゃん、いつも見守ってくれてありがとうね。〉
「そんなそんな。私にはこれしかできないから。」
〈あ、鈴音お姉ちゃん。真希お姉ちゃんにも聞いてきてほしいんだけど、スイーツバイキングどうだった?〉
「え~、楽しかったよ〜!アレルギー子用のスイーツもあったから、死んだら一緒に食べようね。」
〈うん!〉
未来の約束が出来た。いつも、スイーツバイキングと聞くと嬉しくなるけど、ケーキとかを見ると「いいなぁ。」という気持ちになってしまう。
「ねぇ、由希。もしかして、真君に恋してる?」
鈴音お姉ちゃんがいたずらっ子っぽく尋ねてきた。
〈ええええええええええええ!そ、そんな訳ないじゃん!〉
慌てて否定したけどやっぱり私は真が好きなんだ、と思い知らされた。
「ふぅ~ん。」
うわ、ニヤニヤしている。絶対好きだって、バレてる!
〈やっぱり、真のこと、好き、かも…。〉
「じゃあ、告っちゃえば?」
〈無理、無理無理!〉
「まぁ、いいや。はやめに告ったほうがいいよ。」
鈴音お姉ちゃんは、意味深な言葉を残して消えた。
真が編入してきて、1ヶ月が過ぎた。もう、仲のいい子が沢山出来たらしく毎日楽しそうだった。勉強もできて運動も出来て成績は校内のトップクラスだ。彼は、優しい性格だから周りの女子からも好かれていた。私は、女子と接している真をみると複雑な気持ちになってしまうほど、彼の事が好きになっていた。
そんな彼が、ある日突然1週間学校を休んだ。風邪かな、と思ってメッセージを送ったけれど、返信は中々来なかった。既読になっても、返信は来なかった。ずっと。
不安な気持ちのまま、1週間が過ぎた。彼が、学校に来た。でも、午前中だけしか来なくて午後には帰っていった。私は、そのことに違和感を覚え放課後、彼の家へ行った。
「由希⁉」
突然の訪問に真はびっくりしていた。
「とりあえず、公園で話そう。」
と言われ、近くの児童公園に向かった。
子供は、夕焼けチャイムがなって帰ったからか私達以外だれもいなかった。そのことに、緊張してしまい、体ががちがちになってしまった。
「あのさ、」
「はいっっっ!」
急に大声をあげてしまって、うるさかったかな、と思ったけど彼は笑っていた。
「色々、お見舞いとかありがとう。そ、それでさ。」
「うん。」
「会って間もないんだけど、俺好きな人がいるんだ。」
目の前が真っ暗になった。
「そう。良かったね。おめでとう。」
「そうじゃなっくて!」
いきなり、大きな声で否定されてびっくりした。
「立森由希さん、俺はあなたが好きです!」
え?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!わ、私のこ、ことがす、好き?
「嬉しい、です。実はいうと、私もあなたのことが好きです。初めて会ったあの日から好きだった。」
言えた。鈴音お姉ちゃん、言えたよ。
「やべー。嬉しい。」
「ふっ。ははは!」
「何がおかしいだよ。」
「べ、別に!」
私も、嬉しい。
「じゃあ、付き、合う?」
「うん。」
こうして、私たちは
この日から交際をスタートさせた。
でも、交際期間がすぐに終わるとはこの時の私は知らなかった。そして、彼の秘密、彼がずっと隠し続けていることにも気が付かなかった。
告白を受けて、翌日。急だったけど、初デートに行かないか、と誘われた。場所を聞くと、「秘密」とはぐらかされた。
ついてきて、と言われたためついてきた。その後、電車に乗ったりするから遠出するのかなと思った。
「由希。着いたよ。」
「うわぁ。」
目の前には、水族館。それも、私が大好きな水族館だった。カワウソとかペンギンとか沢山いた。それに、私は胸が踊った。
「水族館。由希、こういうの好き?」
「うん!」
「ははっ、良かった。」
真の笑顔にドキッとしてしまう。あぁ、私は真が好きだ、と実感させられた。
「ねぇ、真。」
「どうした?」
「お腹、減らない?」
「あ!由希と過ごすのが楽しすぎて忘れてた…。」
時刻は、12時30分。
「どっか、寄る?」
「うん。そうだな。あ、でも由希アレルギーは大丈夫か?」
「さぁ。アレルギー表借りれば何とかなると思うよ。」
「そうか。良かった。」
真の優しさに心が温かくなる。嬉しい。でも、コリン性蕁麻疹のことを言えないという苦しさからは逃れられてはいなかった。
「由希。食べられるの、ある?」
「う~ん。ちょっと難しいかも。」
店に向かって、私はアレルギー表をもらった。しかし、食べられるものがほとんどない。困ったものだ。
「ちょっと待ってて。」
と言い、真はどこかに出かけた。
「はい。」
しばらくして戻ってきた、と思っていたら手にアイスを持っていた。
「どこにあったの?」
「実は、下の売店近くでアイス売ってて。それで、乳卵不使用アイスがあるのに気が付いたのを思い出したから、急いで買ってきた。」
「ありがとう。」
真の優しさにどんどん惹かれてどんどん好きになってきた。
「ラスト1つだった。もしかしたら、そのアイスは俺が買いに来るのを待っていたのかもな!」
「そうかもね。」
真が買ってきたアイスは、とろけそうなほど甘くて冷たくて心が温まる味で美味しかった。大切で、思い出の味が好きな人との間に出来た。



