それまで何も言えなかった俺は、父親に反論しようとして立ち上がろうとしたその瞬間、アーサが袖を引っ張って俺を止めた。 アーサの目は涙でいっぱいになっていた。その目で俺に「止めて!」と訴えていた。 「アーサ…。」 「ごめんね…レオ。」 そのままアーサは走って飛び出して行った。 「アーサ!待てよ!」 俺は慌てて追いかけ、玄関を出た所でアーサを掴まえた。