アタシが視線をうつしたその先には
一目でそれと解るような
ケバい服に派手な化粧の女…。
「どういうことよ!?ねえ!レオ!
いきなり電話してきて、
別れるって言われてもそんなの、
意味分かんない!
はっきり言ってよ!
なんでそんなことになるわけ?」
レオ…???
「別にお前は俺の彼女なんかじゃねえだろ?
俺が好きなんじゃなくて、
真行司財閥が目的なんだろ?
俺はもう…嫌なんだ!そんなの。
だからもう俺に構うんじゃねえよ!」
彼がそう言って
その女の手を振り払った時、
アタシと目があった。
今度はすぐに視線をはずすことはなく、
アタシと彼は見つめあった。
私と彼が見つめあっていた時間は、
多分10秒位。
それでもアタシにとって
その時間は何分にも
感じられる時間だった。

