その日は午後4時まで びっしり授業があり、 最後の古文が終わると繭子を残し 私は一人で先に帰った。 外に出ると、さすがに夏の太陽が じりじりと肌を焼くような 暑さが残っていた。 その時もまだアタシの目の中には 彼の瞳の残像がそのまま残っていた。 予備校を出て、すぐ前の オープンカフェでお昼がわりに 大好きな苺のショートケーキを食べてると 近くで女の悲鳴にも似た 大きな声が響いて来た。