白兎の郷とは兎の頭の形をした盆地にある 二つの小高い丘のことらしかった。 その二つの丘は、 ちょうど兎の目になっていて、 一つは牡山(おやま)、 もう一つは姫山(きざん)と 呼ばれているらしい。 それに、この地方にはまた別に 古い言い伝えが残っていた。 その言い伝えとは 引き裂かれた姫の怨念か… 若い男女が姫山に登ると、姫が怒りだし、 物凄い吹雪になると言う。 この地方には今もまだその言い伝えが 残っているらしい。 そんな言い伝えを知らない二人は、 姫山へと続く山道を登っていた。