「なんか…悲しい話ね。」
と舞ちゃんは呟いた。俺はその時は
それほど気にはしていなかった。
それから俺と舞ちゃんは歩いて30分位
だというので、白川郷までは
歩いて行くことにした。
高山とは違い、ここにはまだ道路にも
雪が残っていた。
道の両側には水田や畑が広がっていて、
のんびりした時間がこの場所にも
流れていた。
白川郷で合掌造りの家を見学し、
それからまたバスに乗り、
俺達が白兎の郷に着いた時はすでに
午後3時を回っていた。
白兎の郷は白川郷よりも標高が高く、
雲に手が届きそうな気さえしてくる程。
吐く息も白くなってくる。
そして舞ちゃんが転ばないように
二人しっかりと手を繋いだ。

