「頼朝伝説」
「お兄ちゃん、そんなんも知らねえで
行くんかい頼朝伝説ってのはだな…
白兎の郷に千年前から伝わる伝説でな…
平安時代にその白兎の地方を治めていた
豪族、杜氏が、平安中頃になると
本家と分家が争うようになってな、
二つに分断されたんだ。
それから、それぞれの家に生まれた
悠若と舞姫が恋に落ちたんだがな、
それぞれの家の権力争いをしてたがために
若と姫はそれぞれの丘に立てられた寺院に
幽閉され、そのままそこで生涯を
終えたんじゃな。
しかもその姫が幽閉されとった寺に
戦で敗走しとった頼朝軍が逃げ込み、
そこで頼朝に乱暴された姫は
子供を産み落とし、それから
気が狂うてしもうて記憶をなくした
そうだと。
そして流星が降る三日月の夜になると、
その若と姫は流星に乗って逢えるのだと
言うんだ。
これが頼朝伝説でその頼朝の忘れ形見の
末裔がまだその地方にはおるらしい。
これが頼朝伝説っちゅう訳だ。」

