「それで、何日寝たの」
彼は、短足である私の歩幅に合わしてくれている。敬語ではないのは、前に約束して、言ってくれたからだろう。
私は、笑みを浮かべて、質問に答えた。
「2日ですね」
軽々と言い放った。普通の人は、「え、大丈夫?」やら「2日もって…」と言葉に詰まるだろうに、彼は違った。
「へぇー?」といたずらっぽく笑っていた。
彼のそういうところは、私からしたら、とても救われることだった。
こいつは、私の事情を知っている。なんだか、私が話したなんて変な感じだ。いいのか悪いのか、自分でもよくわからない。
「さっき嫌いって言ってたけど、なにが?」
2日ぶりだが、4日よりはまだ心の重さはマシな気がする。
朝くんにも、ちゃんと泣かずに顔を向けられている。
「いや、別にどうでもいいことなんで、何でもないですよー」
私は笑みを浮かべて笑う。そう、どうでもことだった。なんで嫌いと言ったのか、忘れてしまったくらいに私はバカだから。


