隣を見やると、太陽に照らされた、朝くんがいた。
寝癖なのか、少し分かれた前髪がまた綺麗な顔を目立たせている。
「あ、くま治ってないじゃん」
私を見て、彼は笑う。でも決して嘲笑うように笑うのではなく、優しく笑う。
私も笑おうとした。合わせようとして、口角を上げて、どうでもいいみたいに笑みを浮かべようとした。なのにどうして、私は…
「…朝くんの前だと、なんか笑えないんですね。まじでおかしい」
声が早口で小さすぎて聞こえなかったのか、「え、なんて?」と言ってきたが、私は「なんでもない」と首を振った。
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