まどろみ3秒前


隣を見やると、太陽に照らされた、朝くんがいた。

寝癖なのか、少し分かれた前髪がまた綺麗な顔を目立たせている。


「あ、くま治ってないじゃん」


私を見て、彼は笑う。でも決して嘲笑うように笑うのではなく、優しく笑う。

私も笑おうとした。合わせようとして、口角を上げて、どうでもいいみたいに笑みを浮かべようとした。なのにどうして、私は…


「…朝くんの前だと、なんか笑えないんですね。まじでおかしい」


声が早口で小さすぎて聞こえなかったのか、「え、なんて?」と言ってきたが、私は「なんでもない」と首を振った。