規則的なタイマーの音が鳴る。時計を見やると、もう5時にもなっていた。全然、時計とか見てなかった。ああ、もう終わりか。
先生はタイマーを止めて、「じゃあ回収するね」と言ってプリントを回収した。
全然、駄目だった。全然、わからなかった。本当に、本当に、わからなかった。
問題文も何を言っているのかわからないし、回答用紙のどこに答えを書くのかもそこすらあやふやであった。
もう無理だな、なんて自分に微笑する。
「どーだった?あ、明日は3教科やろうね」
「あーはい」
にこっと笑って、私も笑った。明日に3教科だなんて、出来やしないのに。バカみたい。
最近は、この高校で機械を導入しているらしく、15分もあればテストの丸つけが可能らしい。先生にどうするかと問われたので、私は「それ、お願いします」と答えた。
何分か教室でボーッとしていると、先生がまた扉を開けてやってきた。私に、2枚の回答用紙と2枚の答案用紙を渡す。
「はい、持ってきたよ。お疲れ様」
先生は最後まで笑っていた。私も笑って、教室をさっさと出た。
2枚の回答用紙をどこに捨ててしまおうかと考えていたが、前にゴミ箱に回答用紙があった、ということで問題になって大問題になったことがあるので、やめておいた。
私は、回答用紙をぐしゃぐしゃにして、何も入っていないポケットに入れ込んだ。


