「黒板消してくれてありがとうね」

「あーはい。ここ、掃除担当なんで」


適当に笑って返事をして、私は黒板に書かれた白いチョークを黒板消しで消していく。

先生は、掃除している人がいれば感謝を伝えるの?絶対に違う。私だから、だろう。

チョークの粉が下に落ちていくのが見えたが無視をした。教室掃除の人、ごめんなさい。

全く理解できなかった、黒板に書かれた言葉たち。私は、速い手付きで消し進めていく。


「あれ?他の班の人たちは?」


先生は探すように回りを見渡す。私のクラスは、6人班で掃除をする。

私の班は、私を含めて不登校で休んでいる人たちばかりを席替えで固められてしまい、いつも来ているのはたったの3人程だ。

だがその3人は真面目に掃除をする人ではない。しっかりとサボりを実行していた。


「あー、いませんね。私頑張ってます」

「ふふ。そうだねぇ頑張ってるねぇ」


「それでね、」と続けられて、ドキンドキンと金づちで叩くような胸の嫌な音が鳴っていく。何を言われるのかが、なんだか怖かった。