まどろみ3秒前


そういえば、何故、彼はここら辺を歩いていたのか。こんな暴風雨の中で。口を開こうとすると、彼が先に口を開いた。


「翠さんのことをストーカーしてたからとかじゃなくて。休日だけど、学校の周りうろついてたら、会えるかなって思ってて」

「…誰に、会えるかなって思ってたの?」


朝くんが会いたくなる人とは誰のことかと問うと、彼はまた吹き出した。


「決まってんじゃん」


笑って、朝くんは私を見た。まるで、朝陽のような笑顔だ。あのクールな真顔からは想像が出来ない。


「待ってたから」


―待ってるから、ずっと。


そう、言ってくれたのだ。そうだった。彼は、私を待っていてくれた。


「翠さんも、俺を探して、会いに来てくれたんでしょ?まあ、会いに来たのは俺だけど」


彼はふっと鼻で笑う。私も笑った。