まどろみ3秒前


頬に涙が通っていき、下を向くと、涙がスカートに落ちてシミが出来ていた。


「なんでこんなどうでもいいのに、泣いたりしてんだろ私…ごめんなさい…ほんと…」

「…それ、症状じゃない。病気」

「…いや、病気では…」


私がただ、病気ではないと認めたくなかったのかもしれない。言い返すことも出来なった私は、涙を拭うのももう、疲れたのだ。

笑顔が崩れていく。口角がどうしても上がらない。へらへら笑えない。最悪だ。


「顔、上げて?」


こんな状況で、上げられるわけがない。体が寒さで震える。怖くて、下を向くばかりだ。


「私、4日も経ったから、あなたのことも、四葉のクローバーのことも忘れてかけちゃってたんですよ…?やばくない?ほんと最低ですね、私は…」

「早く顔上げろって言ってんの」


顎を掴まれて、下を向いていた私はグイッと無理矢理顔を上げられる。綺麗な顔が近くにあった。


「っなに…」


屋根に降り落ちる雨が強くなる。公園の植えてある木も草も何もかも飛んでいきそうだった。


「俺、無理して顔上げてる翠さんが好きなんで」


彼は、もっと私に近づいて。


「顔下になってる翠さんは、好きじゃない」


何、言ってるんだろう。この人は。


…この人は、やっぱり頭おかしいみたいだ。