信じ、られなかった。
私が瞼を瞑ってから開けるまで、3ヶ月もの時間が経過していたらしい。
妙に蒸し暑かったのも、生けた植物が枯れていたのも、時間が容赦なく過ぎたからだ。今は、4月ではない。病室のカレンダーを見やると、7月のページに切り替わっていた。
―雨の音がする。
窓から顔を出し、真夏の空を見上げる。すると、雨粒が私を濡らした。大雨だった。
空は、薄暗く厚い雲に覆われている。何時かもわからなかった。
病室には冷房がかかっていた。雨というのもあり、真夏の温度は低い。不幸中の幸運ということで、体は、春から真夏の温度変化に、なんとか対応できたようだ。
そういえば、あの看護婦さんは、どこに行ったんだろう。…あ、そうか。
ちょっと待ってね、と言ったきり、戻ってきていない。扉付近には、落としたカルテのようなものが、まだ落ちていた。
―ガラッ
「天塔さん!!!」
走ってきたのか、乱れた髪に白衣を羽織った若い医者が、扉を開けて病室に入ってきた。
医者、だろうか。見覚えのある、顔。
「覚えてなくて当たり前だからね。大丈夫、僕は君の担当医の医者です」
優しい笑顔を作った医者は、そのまま、パイプ椅子に腰を下ろした。


