「可愛い…え、買ってきてくれたの?すごい、めっちゃ大きいけど」

「いや、なんか公園の隅っこに大きめのクローバーいっぱい咲いてるとこ見つけて。そこで、何束か見つけたから」


朝くんは、人の目も気にしないのだ。

私のためだけに、公園でお得意の四つ葉探しをしてくれていたらしい。


「なにそれ、変人じゃん」


思い切り、笑ってしまった。


きっと、私達だけだろう。四つ葉のクローバーを安眠グッズとして扱うのも、電車に乗って安眠グッズ買いにきたくせに、結局四つ葉のクローバー見つけて帰るっていうのも。

でも、それはそれで、私は好きだと思った。


「ありがとう。最高の、安眠グッズだ。大切にする。これで、毎日寝ようと思えるね」

「大きいから、幸せ特大じゃん?」

「…見つけたのに、私が、持ってていいの」

「俺は、翠さんのために頑張って見つけたんだから。でもやっぱ、あの短時間で四つ葉見つけられるって相当俺って運いいよね?」


優しく笑う朝くんは、言葉にできないくらいに、本当に本当に、綺麗だった。

鞄に入れると潰れてしまう可能性大なので、手に持つことにした。クローバーを手に持って歩くのは、何も、恥ずかしさもなかった。