まどろみ3秒前


また、「いらっしゃいませー」と威勢の通る店員の声が聞こえる。私は過敏に反応してやるが、普通の男女客だった。

あの男子らと遭遇したりしないかとヒヤヒヤする。朝くんは、気にもしてなさそう。


「パフェのチケット、隙あったから2枚分あいつらから盗んできちゃったー」


てへ、と言わんばかりに朝くんは笑う。隙あった、なんてアニメや漫画でしか聞いたことがない。


「朝くん、…やっぱ何でもないや」

「食べんの遅いって?」

「あっ…いや…」


驚いた、なんでわかるんだ。

私の折角した気遣いが台無しになった。まあ、朝くん自身でも自覚があるのかもしれない。

私はもう既に食べ終っている。苺も乗った、大きくボリューミーな苺パフェだった。カロリーすごいだろうな、なんて思いつつ完食したけれど、朝くん、めっちゃ食べるの遅い。

おかげで早く帰れという店員さんの圧がすごいような気がする…


「待ってあとちょっとだから」

「いやこれ底にまだコーンフレークある」

「え、まじで?」


パフェの残像が残ったパフェグラスに、覗き込む朝くんが映り見えた。

なんだか、笑えてきてしまった。

食べるのどんだけ遅いんだと。もうここに入って2時間くらい経っていると。