また、「いらっしゃいませー」と威勢の通る店員の声が聞こえる。私は過敏に反応してやるが、普通の男女客だった。
あの男子らと遭遇したりしないかとヒヤヒヤする。朝くんは、気にもしてなさそう。
「パフェのチケット、隙あったから2枚分あいつらから盗んできちゃったー」
てへ、と言わんばかりに朝くんは笑う。隙あった、なんてアニメや漫画でしか聞いたことがない。
「朝くん、…やっぱ何でもないや」
「食べんの遅いって?」
「あっ…いや…」
驚いた、なんでわかるんだ。
私の折角した気遣いが台無しになった。まあ、朝くん自身でも自覚があるのかもしれない。
私はもう既に食べ終っている。苺も乗った、大きくボリューミーな苺パフェだった。カロリーすごいだろうな、なんて思いつつ完食したけれど、朝くん、めっちゃ食べるの遅い。
おかげで早く帰れという店員さんの圧がすごいような気がする…
「待ってあとちょっとだから」
「いやこれ底にまだコーンフレークある」
「え、まじで?」
パフェの残像が残ったパフェグラスに、覗き込む朝くんが映り見えた。
なんだか、笑えてきてしまった。
食べるのどんだけ遅いんだと。もうここに入って2時間くらい経っていると。


