まどろみ3秒前


「なんで朝くんは、ニワ…じゃなくてあの男子たちに、あんなに立ち向かって言えるの…?」

「翠さんとの大切な時間を汚してくる、ムカつく、殺気沸いたし。…あと、翠さんが俺にすがり付いてまで震えてるから」


そう、確かに私は、平常を偽れなくなっていた。笑顔も上手に作れず、震えていた。

朝くんは、それにまで気付いて…


「っありがと…かっこよかった…」


怖かったけれど、その怒りは優しさでもある。本当に、かっこよかった。

朝くんは何も言わずに、抱きしめる力を弱めていく。


「翠さん」

「ん?」

「俺に、もういいからって笑ってたけど」


朝くんはポケットから何かを取り出した。


「後悔するって、わかってたでしょ」


手にしていたそれは、私が無造作に取り出した、パフェの半額チケットだった。


「え、な、なんでそれ…」

「そういう怖くて怖くて仕方がなくて、明日が嫌になって、また辛くなった時は、翠さんに、何回でも言ってあげる」


私にチケットを手渡して、優しく頭を撫でてくる。


「何しでかすかわからないあいつらだって、呑気に今ごろパフェでも食べてる。そんなニワトリのために、無駄な神経、使わなくていい」

「…うん、」

「あーまあ嫌になったら俺に言って?あいつらのこと、殺してあげるからね俺が」


朝くんが口にすると、本当か否かわからなくなる。だからか、あまり笑えないのだが。