まどろみ3秒前


「違いますよー違います」

「もしかして翠さんのこと好きってこと?」


は?

一斉にして、空気が凍りついた。


「だから嫉妬して陰口?うわ、男として終わってる。それカッコいいとか思ってる?いきりミスが」

「っんなわけないだろこんな奴に…」

「でもごめん、もうすぐ俺の彼女になる予定だから」

「あ?知らねぇよお前まじいい加減にし―」

「はい!!!これをどーぞ!!!」


え?今度は一斉に私に視線が移る。

大声で私が押し付けたのは、この近くにある、パフェが美味しい店の半額チケットだった。鞄に、何故か偶々入っていたもの。


「朝くん早く逃げ―」

「ふざけんなサボりがよぉ」


逃げる方向に向いた私は、仕方なくまた男子たちに向き合う形に戻った。ああ、ただ、チケットを捨てることになってしまった。


「あのさ、言っとくけどお前のことみーんな嫌ってんだよ?」


下から気持ち悪く顔を覗かせる。後ろの男子が「知らないんだからそれは酷すぎ」とチケットだけ取ってクスクス笑い始める。


「ずっと笑っててキモいしウザいし?おまけに寝坊するし。なんだっけ、噂で聞いた寝すぎる病気?まじどんな病気?見せてよ」

「はっ…」

「どんだけ豚なの?」


笑われても、ただ口を紡ぐ。朝くんの前でこんなことを言われるのが、本当に嫌だった。正面でちゃんと口論になるのが初めてで…