「違いますよー違います」
「もしかして翠さんのこと好きってこと?」
は?
一斉にして、空気が凍りついた。
「だから嫉妬して陰口?うわ、男として終わってる。それカッコいいとか思ってる?いきりミスが」
「っんなわけないだろこんな奴に…」
「でもごめん、もうすぐ俺の彼女になる予定だから」
「あ?知らねぇよお前まじいい加減にし―」
「はい!!!これをどーぞ!!!」
え?今度は一斉に私に視線が移る。
大声で私が押し付けたのは、この近くにある、パフェが美味しい店の半額チケットだった。鞄に、何故か偶々入っていたもの。
「朝くん早く逃げ―」
「ふざけんなサボりがよぉ」
逃げる方向に向いた私は、仕方なくまた男子たちに向き合う形に戻った。ああ、ただ、チケットを捨てることになってしまった。
「あのさ、言っとくけどお前のことみーんな嫌ってんだよ?」
下から気持ち悪く顔を覗かせる。後ろの男子が「知らないんだからそれは酷すぎ」とチケットだけ取ってクスクス笑い始める。
「ずっと笑っててキモいしウザいし?おまけに寝坊するし。なんだっけ、噂で聞いた寝すぎる病気?まじどんな病気?見せてよ」
「はっ…」
「どんだけ豚なの?」
笑われても、ただ口を紡ぐ。朝くんの前でこんなことを言われるのが、本当に嫌だった。正面でちゃんと口論になるのが初めてで…


