まどろみ3秒前


「あたしね…嘘ついたの…あたしはっ…翠と過ごす時間好きだった…幸せだったのぉ…」

『…』

「ごめんねぇ…自分のキャラとか、自分のイメージばっかり気にして…翠のこと色々知ってたのに、あたし…ずっと後悔してたの…」

『…そっか』

「悪口も嘘だよ…信じてもらえないかもしれないけどさぁ…あたし、翠がどんだけ辛いかも考えず…ごめんね…」


バカみたい。私は、翠を傷付けた。

私が翠だったらどうだったんだろう。想像もできないバカな自分にイライラする。


『柚は私のこと、嫌いじゃないんだね』

「嫌いじゃない…嫌いじゃないです…」

『そっか、うん、それはよかったなぁ』


スマホからは、優しく笑う、あの翠の声が聞こえた。

そっか、私は、翠に、親友だって認めてもらいたかったんだ…


『こっちこそ、ごめん。笑顔ばっか取り繕って、まあ、気持ち悪かったし』

「そんな、こと…」

『私が心開かなかったから悪いんだよ。でも、無駄なんか、思ってないから。私、あの時間、なーんか好きだったから』


明らかに、翠は変わった。

昔の翠じゃない。