―私は、彼女の病気を知ってた。
病気といっても、人より少し睡眠時間が長いだけ。それだけだと、思っていた。
「ねぇ、翠!明日朝から絶対来てね?翠いないとチーム足りないんだから!!」
何も知らないクラスメイトの1人にそう言われ、誤魔化しながら笑い、困り顔を見せていた彼女のところに、私はすぐさま入った。
朝には起きれない彼女を、私は守るように、日々一緒にいた。ただ、それだけだった。
「柚、ありがとう」
本当かもわからない、空虚な目で笑みを作り、お礼を言われる。
「言われたらなんか言い返さなきゃだめ。誤魔化して笑うんじゃなくて」
「…うん、ありがと」
彼女は、私を好いていたと思う。
いつも暇な時は一緒に遊んで、一緒に笑う。


