まどろみ3秒前


―柚も、そうだったのかな。

嫌いって言わなきゃで、自分のために嫌いと言った。でも本当は、私のこと、まだ友達と思っていて、好きだったんじゃないか。

あの瞬間の絶望は拭えない。本当に私のことを嫌いだったのかもしれない。

でも、まだ…

そう思えば少し、心が軽くて楽だった。


「…あのね、小鳥、」


心を開く、まず第一歩は。


「私、病気なんだよね」


小鳥は、頷きながら私の話を聞いていた。

どう思われるだろう、どんな表情をするんだろうと考えては怖くて仕方がなかったが、私は、小鳥に言わなければならないのだ。


いや、第一歩として、言いたい。

聞いてほしい。


「―翠」


小鳥は、優しく微笑んだ。

どう思われているのかは、自分ではない誰かだからわからない。

わからないからこそ、怖いからこそ、信じて補えて話せばわかり合えて、笑い合えることがあるのが、友達なのかもしれない。



「起きてくれて、よかった」



小鳥は、また涙を拭いながら、優しく私に笑いかけた。

私が起きて生きることを、彼女は望んでいたのだ。そのことが、しっかり伝わり、私の胸がじんと温かくなる。


―ガラッ


保健室の扉が開いた音がして、私と小鳥は同時に振り向く。