―柚も、そうだったのかな。
嫌いって言わなきゃで、自分のために嫌いと言った。でも本当は、私のこと、まだ友達と思っていて、好きだったんじゃないか。
あの瞬間の絶望は拭えない。本当に私のことを嫌いだったのかもしれない。
でも、まだ…
そう思えば少し、心が軽くて楽だった。
「…あのね、小鳥、」
心を開く、まず第一歩は。
「私、病気なんだよね」
小鳥は、頷きながら私の話を聞いていた。
どう思われるだろう、どんな表情をするんだろうと考えては怖くて仕方がなかったが、私は、小鳥に言わなければならないのだ。
いや、第一歩として、言いたい。
聞いてほしい。
「―翠」
小鳥は、優しく微笑んだ。
どう思われているのかは、自分ではない誰かだからわからない。
わからないからこそ、怖いからこそ、信じて補えて話せばわかり合えて、笑い合えることがあるのが、友達なのかもしれない。
「起きてくれて、よかった」
小鳥は、また涙を拭いながら、優しく私に笑いかけた。
私が起きて生きることを、彼女は望んでいたのだ。そのことが、しっかり伝わり、私の胸がじんと温かくなる。
―ガラッ
保健室の扉が開いた音がして、私と小鳥は同時に振り向く。


