すぐに病院へ行き診てもらったが、体には何も異常はなかった。


「原因は、わからないんです…」


医者は、まるで悲劇のヒロイン気取りになり、「ですが」と続けた。


「冬眠する熊のように、天塔さんの体は、食べ物飲み物を摂取せず排便もせず、しっかり血は巡れるようになっています。体には何の問題ありません。多少の違和感を感じるだけでしょう。…いつ起きるかわからない。3日も眠るなんて、こんな症状があるんですねぇ…」


ブツブツ言う医者に、私は、いつものように笑った。こんなに寝るとかどんな病気なんだよ。ていうかこれは、病気といえるのか?

私は、自分のこの症状を笑うしかなかった。


これは、走馬灯なのかな。きっと、私は死ぬ。最後に、何か後悔もなかった。

弱虫で、情けなくて醜い自分だった。3日眠ったショックで自殺?情けなすぎて笑える。


全部全部、もう大嫌いだ。どうだっていい。


私は、誰からも必要とされていない。もう、全部嫌になったから早く死にたいよ。

もし、この症状が治っても。

苦しいことばっかりだろう。もう溺れてる私は死んでも生きてても同じだ。

笑顔を張り付けて嫌われないようにしたから、もうずっと、本当の自分を出せずにいるだろう。


こんな心を開けない、死んだ心はいらない。


―このまま私の瞼が開かなくなったらいい…