まどろみ3秒前


「今って、いつ?なんで、小鳥がここに」

「翠が倒れたって聞いて…心配して来たんだよ…今は、放課後の5時くらいで…」

「放課後なら、帰ってくれてよかったのに」


小鳥なら、他の友達だって沢山いる。私を心配してくれる気持ちは嬉しいが、放課後の5時まで私を見守る必要なんてないのに…


「はぁ…?心配するでしょ…私、もう翠の目は開かないんじゃないかって…」


ぶはっと小鳥の目からまた涙が溢れ出た。

いつも優しく明るい小鳥からは考え付かないくらいに、泣き崩れていた。本当に、小鳥が泣いているのは初めて見た。

よかった、よかったと何度も小鳥は震えた体で繰り返し言った。


「え、寝顔見られてたのずっと。恥ずかし」

「心配したんだからぁ…」


安心させるため、冗談混じりに笑って言った。小鳥は真っ赤な目を私に向ける。


「……なんで、心配してくれるの?」

「友達だからに決まってるでしょ…」


友達。、その言葉が、痛いくらいに胸に響いた。同時に、幼なじみで友達だった柚と小鳥が重なった。あの裏切られた、元親友のこと。


「…私のこと、嫌いじゃないの?」


気付いたら聞いていた。起きたばかりの頭は上手に働いていなかったらしい。

驚いたのか小鳥は、しばらくポカンと私を見つめていた。


「な、なんで?嫌いじゃない、けど」

「…ごめんごめん。ちょっと、まだしんどいから先帰っといて」


私は無理矢理にでも笑みを貼り付けた。