「…まじでほんとに、着いて、こないで」
「無理」
「…っ」
その時だった。
息が、出来なくなった。
「…ぅやば…っ…」
必死に呼吸をしようと過呼吸になる。口を押さえた私は、地面にうずくまる。廊下にはまだ同級生や人がおり、私と東花を取り囲むように、皆の注目の的となっていた。
「翠?大丈夫か?おい、先生呼んでくるから、ちょっと待―」
意味もないのに必死に背中を擦る東花。そんな東花の声が、小さくなっていく。
あー、私、こんなとこで死ぬのかな……
皆に見られながら、こんな学校で?別に、それでよかった。川でもここでも、死ねるなら、どこだっていい。
…でも死ぬなら、朝くんと死にたかったな。
息ができない、苦しい。
まるで、私だけ溺れてるみたいだった。
゜
゜
゜
夢の中ですら息ができず、私は溺れながらに沈んでいく。もう何をやっても無駄だ、と理解し足掻きもせず、私は目を瞑っていた。
あの夢の続きなようだった。
深睡眠ではないはずなのに、私は夢を見ている。しかも、あの溺れて沈んでいく夢。
「一緒に、溺れよっか」
「…っ?」
私は、口がないように、喋れないでいた。
一緒に溺れていた、誰かがいた。モヤのようなものがついていて、顔もわからない。


