まどろみ3秒前


「…まじでほんとに、着いて、こないで」

「無理」

「…っ」


その時だった。

息が、出来なくなった。


「…ぅやば…っ…」


必死に呼吸をしようと過呼吸になる。口を押さえた私は、地面にうずくまる。廊下にはまだ同級生や人がおり、私と東花を取り囲むように、皆の注目の的となっていた。


「翠?大丈夫か?おい、先生呼んでくるから、ちょっと待―」


意味もないのに必死に背中を擦る東花。そんな東花の声が、小さくなっていく。

あー、私、こんなとこで死ぬのかな……

皆に見られながら、こんな学校で?別に、それでよかった。川でもここでも、死ねるなら、どこだっていい。

…でも死ぬなら、朝くんと死にたかったな。


息ができない、苦しい。

まるで、私だけ溺れてるみたいだった。









夢の中ですら息ができず、私は溺れながらに沈んでいく。もう何をやっても無駄だ、と理解し足掻きもせず、私は目を瞑っていた。


あの夢の続きなようだった。


深睡眠ではないはずなのに、私は夢を見ている。しかも、あの溺れて沈んでいく夢。


「一緒に、溺れよっか」

「…っ?」


私は、口がないように、喋れないでいた。

一緒に溺れていた、誰かがいた。モヤのようなものがついていて、顔もわからない。