まどろみ3秒前


「私、嫌われてるんだよねー」


私も朝くんも、いつの間にか深夜テンションとなっていた。深夜に誰かといるなんて、なかったから不思議な感覚だ。

色んな話をして、時間も、雨も、この世界のことすらも、忘れていた。


「へぇー?なんで?」

「ずっと笑って誤魔化してるから。あと、寝坊豚女って影で言われてるからね。サボりって思われてるみたい。まあサボりかもだけど」

「えー?豚って可愛いじゃん。俺、豚めっちゃ好きなんだけど」

「え、そ、そういう意味じゃないけど…」

「その人、今ごろ呑気に飯食って寝てんだから。気にしないでいいんだよ」


確かにそうだな、なんて頷いた。

言われてる言葉も、その人にとっては何気なく友達の会話作りとして言っていて、今ごろ、呑気にいびきかいて寝ているのだ。

言葉も全部呑み込まず、豚も、可愛いってことにしておこう。そういうことにした。


「やっぱ、翠さんも嫌われたくないんだね」

「…嫌われたくない、か」


確かに、私は嫌われたくないのかもしれない。陰口を言われたのも、度々やる動作に愚痴を吐かれることも。

…全部、嫌だったのかもしれない。全部、辛かったのかもしれない。