「私、嫌われてるんだよねー」
私も朝くんも、いつの間にか深夜テンションとなっていた。深夜に誰かといるなんて、なかったから不思議な感覚だ。
色んな話をして、時間も、雨も、この世界のことすらも、忘れていた。
「へぇー?なんで?」
「ずっと笑って誤魔化してるから。あと、寝坊豚女って影で言われてるからね。サボりって思われてるみたい。まあサボりかもだけど」
「えー?豚って可愛いじゃん。俺、豚めっちゃ好きなんだけど」
「え、そ、そういう意味じゃないけど…」
「その人、今ごろ呑気に飯食って寝てんだから。気にしないでいいんだよ」
確かにそうだな、なんて頷いた。
言われてる言葉も、その人にとっては何気なく友達の会話作りとして言っていて、今ごろ、呑気にいびきかいて寝ているのだ。
言葉も全部呑み込まず、豚も、可愛いってことにしておこう。そういうことにした。
「やっぱ、翠さんも嫌われたくないんだね」
「…嫌われたくない、か」
確かに、私は嫌われたくないのかもしれない。陰口を言われたのも、度々やる動作に愚痴を吐かれることも。
…全部、嫌だったのかもしれない。全部、辛かったのかもしれない。


