「……この先、何年も眠るかもしれなくて。その人を早く探さないと、死ぬまで眠るかもしれないし。まだ、解明されてない病気だから、わかんないこと多すぎて」
「…」
「…でも、別に死ぬまで眠るなら、苦しく死ぬよりも断然いいし?それに、寝てる間は、辛いことも苦しいこともなく日々が過ぎていくからいいもんだよ?私は寝てるもん」
「…」
「だから、いいもんだよこの病気も」
全部、嘘だった。
じゃあ、なんで私は橋から落ちて死のうとしてたの?言ったこと全てが、矛盾に溢れている。
「……寝よっか俺と」
「え、いやいや。今思い出したけど、条件も満たせてないし。まだ、朝くんのこと好きになれてない」
「…は?どうでもいいよ、そんなの」
なんだか、朝くんらしくなくて心が痛くなった。なんでそんなこと言うんだろう。
「…考えたら8億人ぶんの1人とかそんなの無理でしょ?もう諦めてるから。だから、一緒に寝ないで大丈夫。ごめんごめん」
「…でも、まだわかんないじゃん。俺かもしんないじゃん」
「いいから、もう。どうでもいいんだよね」
こんな自分が情けなくて、本当に嫌いだ。彼は、何も言わなかった。


